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 サドベリー日記

 

 

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今とは違う何かを


こんにちは、スタッフの杉山です。
先日、学校説明会を開催しました。
 

学校説明会に参加される皆様は、失礼を承知で書かせていただくと、大きく3つの経緯を経ていらっしゃいます。
 


 

1つは今の学校が合わなくて、違う選択肢を探していらっしゃる方。
2つ目は今の学校に通い続けることもできるけど、もっとこの子に合う道はないかと探していらっしゃる方。
3つ目は子どもが次の区切りである小学生、中学生、高校生の年齢になる前に、色々な教育を見て選択肢を増やしておきたいという方です。
 

私は常々、教育や学校、育ちの場は子どもが選べることが当たり前だとお伝えしています。
なぜ、子どもは大人(自分でない誰か)が決めた道を歩まされなければならないのでしょうか。
 

子どもには、自分の人生を自分で歩んでいってほしいと大人の誰もが思っているのに、なぜ子どもは自分で決めていけることができないと信じているのか。
 

理由の1つに、大人の不安があります。
「子どもの将来がどうなってしまうかわからない。だから自分の目の届く範囲におきたい。」
「このままいったら失敗するんじゃないか。その結果不幸になるんじゃないか。」
 

しかし、どんな道を選び、その結果どうなるかは、その本人の物なのです。
他人がとやかく言ってはいけないものです。
 

もちろん、上記のように出てくる感情をコントロールすることはできません。そしてその感情に、いい悪いはありません。
しかしその感情を自分がどう受け止め、次にどのような行動に移していくのかは決められます。
 

サドベリーでは、入学する前に大人がまず自分自身の不安や観念を見つめることが大切になってきます。
多くのサドベリースクールでは、入学前の試験のようなものはありません。
しかし、自身の観念に気づくことや気持ちに正直になるということが、入学する前・そして入学後も必要になります。
 

そしてそれは、自分の人生を生きたいというときに、一生をかけても続ける価値のあることだと信じています。
 
 

【学校説明会に参加者された皆様のお声】
 

1.本日のご見学で印象に残ったこと、感じたことなどご自由にお書きください
 Ans.サドベリースクールを子供たちが紹介するふせんに、悩むと書いてあったこと。自由な中で悩み、その結果どう子供が成長していくのか見てみたいと思いました。たくさん悩んで欲しいです。(匿名希望)
 Ans.いろいろと衝撃的だった。期待しない、コントロールしない、人のせいにしないがとても共感出来たが自分で出来るかがむずかしい。(K.A様)
 Ans.まず環境(空気)のここち良さを感じました。自分があるがままでいるという生徒の言葉が印象に残り、私自身もそう感じました。(山梨様)
 Ans.「自由」な学校ということに関し、ご説明頂いた中に矛盾を感じることがなかった。(K.k様)
 

2.他の教育や学校と比べて、東京サドベリースクールのどのようなところに魅力を感じますか?
 Ans.親も悩み考えながら、成長していける所。子どもを信じてみようと思える所。(匿名希望)
 Ans.好きな事を見つける。自分を知る事ができる。(K.A様)
 Ans.私は生まれる前の世界など、目に見えない世界の存在もあるように思っていて、子どもが持って生まれたものをつぶさないようにという理念にとても魅力を感じました。(山梨様)
 Ans.子ども(人間?)らしい時間を大量にすごせる。(K.k様)
 

3.東京サドベリースクールや、サドベリー教育の何に不安を感じますか?
 Ans.学歴を重視されて育ったので、保護者の話でそのマインドを外すのが大変と言っていたのにすごく共感しました。(匿名希望)
 Ans.少人数なので行き場がなくなったり、あわない友人がいると。地元の友人が出来ない。好きな事が見つかるのか?(K.A様)
 Ans.万一つぶれてしまった時のさみしさ。(K.k様)
 
 

ぜひ、生きる‟根っこ”が育つ学校、サドベリースクールの説明会にいらしてください。
自分の人生を生きることを大切にしている、生徒・保護者・スタッフがお待ちしています。
 
 

(スタッフ 杉山)
 
 

★☆★☆★☆★☆  サドベリーを見に、聞きに、体験しにいらっしゃいませんか?  ★☆★☆★☆★☆
 

子どものありのままや個性を大切にしたい皆さま、東京サドベリースクールでは説明会や学校見学、1日体験などがございます。
 

【学校説明会】 6月18日(土)10:00~13:00
施設の見学、教育方針説明、サドベリー教育のメリット・デメリットをお伝えします。また保護者や生徒への質問する機会もございます。
 

【学校見学】 親子限定:毎週月・木曜日、一般の方:毎月第2火曜日
親子で実際のスクールの様子をご見学いただけます。一緒に様子を見ることで、その後家族で共に検討することができると考えています。学校説明も行います。
 

【学校体験】 スクール開校日であれば随時
学校体験では、お子様が現生徒と同じように1日過ごすことができます。ご希望であれば夕方に学校説明も行っています。
 

【ご支援のお願い】 サドベリーは本来あるはずの子どもたちへの公的支援がありません。そのため、子どもたちの新しい学びの場へのご支援をお願いしております。
 

【無料メールマガジン(不定期)】 活動の様子やイベント情報などをお届けしています。
 

【スタッフ募集】 今後の東京サドベリースクールの安定と発展のために、生徒を見守り、一緒にスクールを運営する、新しいスタッフを募集しています。ご興味をお持ちの方は、「スタッフ募集」をご覧いただき、一般見学にお越しください。

 
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保護者連載6回目:子どもにまかせて大丈夫?


【6回目 子どもにまかせて大丈夫?】
 
 

 「サドベリー教育」が最も大切にしていることは、子どもを親とは独立した一個の人間として認めることであるということを前回書きました。それはつまり「子どもを100%信頼し、すべての選択を子どもの判断に委ねる」ということです。
 

 たとえば東京サドベリースクールに入学するときは、たとえ小学校に上がる前の子でも、その子の意志がなにより尊重されます。親は子を「サドベリースクールに入れる」のではなく、「子がサドベリースクールを選んで入る」のを承認する形になるのです。 
 

 また、スクールに通うようになってからも、サドベリーには授業がないので、子どもたちは自分の好きなことだけをします。誰からも「こうしなさい」とか「こうした方がいいよ」と指図されることはありません。学校で何をして過ごすかは、すべて子どもたちの自由意志に委ねられます。
 

 そして、ここで常に問題になるのが、「子どもにすべての選択を任せて大丈夫か」ということです。
 

 確かに子どもには未熟なところがあります。経験や知識も少ないし、客観的な視野に立って物事を冷静に判断することは苦手かもしれません。そんな“頼りない”子どもに、「すべての選択を任せて大丈夫?」と心配になる親の気持ちはよく分かります。
 

 でも、それでも、私はあえて子どもの力を信じたいと思います。彼らには大人と同等の判断力があり、自分の人生を自分で選び取る能力があると思います。
 

 なぜそう思えるのか。それは、大人が「子ども扱いすること」が、かえって「子どもを子どもの中に閉じ込めている」のではないかと考えるからです。
 

 子どもは本来、小さなうちから物事を判断し、自分の人生を選び取ってく力を有していると思います。その力を奪い、子どもをいつまでも“頼りない”存在にしているのは、周囲にいる大人たちの「子ども扱い」なのではないでしょうか。
 

 たとえば、戦後の日本の孤児たちや、途上国の子どもたちを見ていると分かります。必要に迫られると、子どもはとてつもない能力を発揮し、大人顔負けの生命力で、逞しく生き抜いていくものです。
 

 また、ゴルフの石川遼やスケートの浅田真央、テニスの錦織圭など、10代で活躍した選手たちを見ていると、まったく子供っぽい印象がありません。なぜ彼らの発言は大人びていて、立派なのでしょう。それはたぶん周囲にいる大人が勝負の世界に生きる彼らを「子ども扱い」しないからだと思います。
 

 そして、もうひとつ「子どもを子どもの中に閉じ込めている」ものが現代にはあります。それは学校教育です。学校が子どもを必要以上に「子ども扱い」するために、卒業して社会に出るまで、子どもは大人になることを自らやめてしまうのです。
 

 昔の日本を考えてみてください。子どもは小学校を出たら、すぐに社会に出て働いていました。10代で彼らは十分に実社会で役立つ即戦力になっていたのです。
 

 また、かつての「元服」の年齢は「11歳から17歳の間」だったそうです。結婚する年齢も、平安時代は男性で17歳~20歳ぐらい、女性で13歳~15歳ぐらい。10歳を超えれば、昔の社会ではすっかり大人扱いされていたわけです。
 

 それが今ではどうでしょう。元服にあたる成人式は20歳。大学を出て会社に就職するまでは、ヒゲの生えた立派な青年でも社会は「子ども扱い」をします。
 

 私は思います。子どもの潜在能力を奪っているのは、むしろ親や学校なのではないかと。「あなたはまだ子どもだから」「子どもは黙って聞いていなさい」「それは大人になってから考えることよ」などと言い、子どもから「自ら考え、選択する力」を奪っているのです。それでいて、「今の子は自立していない」「指示待ちばかりで自分で考える力がない」などと言われるのですから、子どもにとってはいい迷惑です。
 

 東京サドベリースクールでは、周囲から強制的に勉強させられることはありません。体育や音楽の授業もありません。子どもには好きなことをやっていい「自由」が与えられます。
 

 でも、この「自由」は一般の学校にある休み時間の「自由」とは違います。それは自らに「責任」が伴う大人としての「自由」なのです。
 

 スクールには算数や国語の授業がありません。なので、勉強しない子はいくつになっても計算や読み書きができません。
 

 「計算できないのはいやだ」と思えば算数を勉強すればいい。「本が読みたい」と思えば読み書きを勉強すればいい。これがサドベリー流の考え方です。勉強が自分にとって必要かどうかは自分で考えなさいということです。
 

 一見「何をやってもいい」と甘やかしているように見えますが、自分の将来に完全に責任を負わなければいけないという点において、非常に「厳しい」教育といえるのです。
 

 このような環境で子どもに身につく力を、私は信じたいと思います。それは自分にとって必要なものとそうでないものを「見分ける力」であり、自分の判断において選んだことに対して「責任を持つ力」です。
 

 変化の激しいこれからの社会においては、まさにこのような「自分で物事を判断し、決めていける力」がものを言うようになってくると思います。
 
 自分の判断において子どもが自ら選択し、歩んでいった人生の先に、どのような未来が待っているのか、それは誰にも分かりません。
 

 でも、ひとつ言えるのは、どんな未来が待っていようと、それは子ども自身が選び取ったものだということ。その結果に対して、子どもは胸を張って責任を取ることでしょう。
 

 息子が東京サドベリースクールに通うようになって、私はひとつの決断をしました。それは「子どもにとって何が幸せか」を考えることをやめること。そして、息子の人生をそっくり彼に手渡してあげること。そうすることで、子どもは見違えるほど、「自分で判断」し、「自らの人生を決めていく力」を獲得していくはずです。
 

 勇気をもって、子どもの独立した人生を認めること、それが「サドベリー教育」だと私は思います。
 
 

(保護者 蓑田 雅之)
 
 

こちらにも寄稿しています!
全国サドベリー保護者の声を集めた小冊子
「自ら学ぶ自由に生きる~究極の多様性教育~」 

 
 

バックナンバーはこちら
【 最終回 世界に一つだけの花 】
【 8回目 反抗期がない? 】
【 7回目 「子ども」という子どもはいない 】
【 6回目 子どもにまかせて大丈夫? 】
【 5回目 勉強しなくて大丈夫? 】
【 4回目 保護者にとっての価値 】
【 3回目 親の権威の失墜 】 
【 2回目 すべての親は子育ての素人だ 】 
【 1回目 サドベリー教育の衝撃 】 
 
 

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自分のペースで



 

今の子ども達は忙しいですね。
いつも何かの準備をしています。
 

夜の10時に小学生の子ども達が塾から出てくるところを見ると、「これは自然なことなんだろうか」と思ってしまいます。
 

もちろん夢があってそのために頑張っている子もいるのでしょう。
しかたなく行っている子もいるのかな。
 

でも、あるいは私が古い人間なのかもしれませんが、子どもが夜の10時に街を歩いている姿を見ると不安になります。
この子は安全に帰れるのか。本当に通いたくて通っているのか。自分の時間を持てているのだろうか。
 
 

自由とは、したいときに、したいことを、したい人と、したいようにできること。
 

もし私たちに自分のしたいこと、たとえば音楽を楽しむ時間も与えられていないとしたら、私たちはなんのために存在しているのでしょう。
 

それぞれの生き方なので「こうした方がいい」などとは言えませんが、せっかく生まれ、今生きているので、私自身楽しんでいきたいな、生徒達も自分らしい人生を楽しんでもらえたらいいな、という想いでサドベリーをやっています。
 
 

(スタッフ 杉山)
 
 

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保護者連載5回目:勉強しなくて大丈夫?


【5回目 勉強しなくて大丈夫?】
 
 

 息子が東京サドベリースクールに通うようになってからというもの、私自身の中で、「教育とは何か」ということが一つのテーマとなりました。
 

「子どもはなぜ学校に通わなければならないのか?」
「なぜ学ばなければならないのか?」
 

 あまりにも基本的すぎて、一度も考えたことのなかった問題です。
 

 そしてまた、自分の子が「勉強しなくて大丈夫か?」ということについても、真剣に考えるようになりました。「義務教育」を放棄して、授業もない、先生もいない学校に通うのは、あまりにもギャンブルすぎやしないかと。
 

 恐らく多くのサドベリーの保護者が、スクールに子どもを入れる前に、この問題で悩まれたことでしょう。
「サドベリーに入って、自由になるのはいいけれど、子どもがゲームにはまったらどうしよう……」
「サドベリーは文科省から認可されていないので、中学卒業資格しか得られない。中卒の資格で社会に出て生きて行けるのだろうか……」
 

 ネガティブなことばかりではなく、ポジティブなことも頭に浮かびます。
「サドベリーの自由な環境の中でのびのび過ごせば、息子は自分の好きなことを見つけ、夢に向かって進んでくれるはずだ……」
「普通の学校では得られない経験をして、自立した考えを持った素敵な子に育ってくれるに違いない……」
「勉強しなくて大丈夫?」という問いからは、それはもういろんな考えが頭に浮かびました。子どもの将来についてさまざまなケースを想定し、心配してみたり、安心してみたりしたものです。
 

 ところが、ある時、ふと気づいたのです。そもそも、こういうことを考えること自体、ナンセンスではないかと。「勉強しなくて大丈夫?」なんて、そんなことはいくら考えても分かりっこありません。
「勉強しなくて大丈夫?」という心配があるのなら、逆に「勉強すれば大丈夫?」という反問もできます。学校で勉強して、一流の大学に行って、一流の会社に就職できれば、それで人生は大丈夫なのか……と。
 

 こう考えると物事の本質が少し見えてきました。サドベリーに通おうが、普通の学校に通おうが、大丈夫か否かなんて誰にも分からないのです。
 

 そう思ったところで、私の頭に疑問が浮かびました。「あれ? 自分は一体サドベリーに何を期待しているのだろう」と。心のどこかで、「子どもがサドベリーに通えばすばらしい人間に育つのでは」と思っていたのではないかと。
 

 自由に、あるがままに生きられる学校。そんな学校で過ごせたら、退屈なカリキュラムのある普通の学校に通う子より、個性的で、のびやかな人間に育つのではないか……。
 

 でも、こう考えるのも、たぶんちょっと違うのだと思います。それは「有名私立に通えれば、いい大学に入れる」と考えることと似たりよったりの思考回路かもしれません。
 

 学校は電子レンジではありません。子どもを中に入れ、スイッチを押せば、立派な子に育つなんてことはありえません。どんな学校でも同じです。サドベリーだろうが、普通の学校だろうが、伸びる子は伸びるし、伸びない子は伸びないのです。
 

 いや、そもそも子どもに“伸びる”ことを期待すること自体、間違っているかもしれない。
 

 なぜ子どもに期待してはいけないか? それは前にも書きましたが、「子と親は対等な関係であるべきだ」と思うからです。対等な人間に対して何かを期待するなんて、親子の間でも少し失礼ではないでしょうか。
 

 たとえば子どもから「パパはもう少し立派な人間になってほしいな」とか「お金持ちになってくれたら嬉しいな」なんて期待されたらどう思います? 人から期待を寄せられることってありがたいことですか? 私は迷惑なんじゃないかと思います。
 

 子に対しても同じです。「逞しい子になってほしい」「個性的な子になってほしい」「夢に向かって生きてほしい」などと親が期待するのは、余計なことではないか。子どもとしては、「うるさい、ほっといてくれ」となって当然でしょう。
 

 こうして私は、少々極端な言い方ですが、「学校に何かを期待してはいけない」「子どもに何かを期待してはいけない」と思うようになったのです。
 

 子どもは親の所有物ではありません。独立した一個の人間です。そして、子どもの人生は子どものもの。決して親のものではありません。
 

 だから、親が勝手に期待したり、心配したりするのは、子どもにとっていい迷惑なのです。「勉強しなくて大丈夫?」ということは、親ではなく、子ども自身が自分で考えるべき問題なのです。
 

 そう思ったとき、ハッと気づきました。「なるほど、ここにサドベリー教育の真髄があるのか」と。
 

 子どもを、親とは独立した一個の人間として認めること。子どもの人生を、子どもに完全に委ねること。その「覚悟」を持つことが、サドベリースクールの保護者にとって大切なことではないでしょうか。
 

 子どもにすべてを委ねることは、「子どもを100%信じる」こと。勉強するかしないか、ゲームをするかしないか、本を読むか読まないかは、親が考えることではなく、子どもが考えることなのです。
 

 と、このように言うと、たいていの場合、次のような質問が返ってきます。
「子どもにそんな判断力があるのか?」
「子どもにすべてを任せて大丈夫なのか?」
 

 私は大丈夫だと思っています。というよりむしろ、なるべく早い時期から、すべての判断を子どもに任せた方がいいと思っています。
 

 その理由については次回書くことにします。
 

(保護者 蓑田 雅之)
 

こちらにも寄稿しています!
全国サドベリー保護者の声を集めた小冊子
「自ら学ぶ自由に生きる~究極の多様性教育~」 

 
 

バックナンバーはこちら
【 最終回 世界に一つだけの花 】
【 8回目 反抗期がない? 】
【 7回目 「子ども」という子どもはいない 】
【 6回目 子どもにまかせて大丈夫? 】
【 5回目 勉強しなくて大丈夫? 】
【 4回目 保護者にとっての価値 】
【 3回目 親の権威の失墜 】 
【 2回目 すべての親は子育ての素人だ 】 
【 1回目 サドベリー教育の衝撃 】 
 
 

★☆★☆★☆★☆  サドベリーを見に、聞きに、体験しにいらっしゃいませんか?  ★☆★☆★☆★☆
 

子どものありのままや個性を大切にしたい皆さま、東京サドベリースクールでは説明会や学校見学、1日体験などがございます。
 

【学校説明会】 4月23日(土)10:00~12:30
施設の見学、教育方針説明、サドベリー教育のメリット・デメリットをお伝えします。また保護者や生徒への質問する機会もございます。
 

【学校見学】 親子限定:毎週月・木曜日、一般の方:毎月第2火曜日
親子で実際のスクールの様子をご見学いただけます。一緒に様子を見ることで、その後家族で共に検討することができると考えています。学校説明も行います。
 

【学校体験】 スクール開校日であれば随時
学校体験では、お子様が現生徒と同じように1日過ごすことができます。ご希望であれば夕方に学校説明も行っています。
 

【ご支援のお願い】 サドベリーは本来あるはずの子どもたちへの公的支援がありません。そのため、子どもたちの新しい学びの場へのご支援をお願いしております。
 

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【スタッフ募集】 今後の東京サドベリースクールの安定と発展のために、生徒を見守り、一緒にスクールを運営する、新しいスタッフを募集しています。ご興味をお持ちの方は、「スタッフ募集」をご覧いただき、一般見学にお越しください。

 
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