東京サドベリースクールは、生徒がひとりの人間として自立して自由に、また社会に生きる市民として豊かに生きるには、「自分を育て、社会を学ぶ」必要があると考えています。

そのため生徒とスタッフで共に作成した存在意義・価値観を大切に、市民教育と人格形成を柱とし、権利と責任を通じて、生徒が自分で自分を育てる全日制の学校(スクール)です。

当校では教育理念を大切にするために、以下の特徴を設けています。

在り方・生き方/非認知能力/認知能力

東京サドベリースクールで大切にしていることが「在り方・生き方」です。

また実践されやすいのが自分を知る内省力や、自ら活動を生み出す自発性、人と物事を進めるコミュニケーション力などの「非認知能力」です。

「認知能力」は知識やスキルといった面で、生徒がサドベリー生として関わる分野や、個人として特定の分野に興味関心を持ち、夢中(フロー状態)になった時に発揮され、驚くべきスピードや驚異の忍耐力、そして自分ならではの方法で習得されます。

「非認知能力」と「認知能力」はあくまで“能力”であり、「在り方・生き方」という使い方の“方向”次第で喜びも悲しみも生み出せてしまいます。そのため本校では特に「在り方・生き方」を重視しています。

生徒自身が将来どのような道に進むとしても、どのような社会情勢になっていたとしても、「在り方・生き方」が根になり、自身の進みたい道という幹から、「非認知能力」や「認知能力」が枝や葉となります。

その先に生徒それぞれの、在り方・生き方と非認知能力と認知能力が組み合わさった、結果という果実が実るのです。

ぜひ東京サドベリースクールで、自身をより良い自分に育て、社会をより良く育てていく生き方や行動力を身に付けてもらいたいと考えています。

自分を育てる

私たちは「人は本当にやりたい、必要だと感じたときに一番よく学ぶ」という考え方を大切にしています。

生徒は1人ひとりが違う存在であり、当然のことながら関心のある分野も関心を持つタイミングも違います。

そのため、スクールにはあらかじめ決められた授業がなく、自分で自由に1日をデザインできる教育システムとなっています。

生徒たちは誰かの用意したカリキュラムや選択肢の中から選ぶのではなく、まったくの自由の中から自分のことは自分で決める経験をしていきます。

つまり自分を育てるのは自分であるということを実践できる場となっています。生徒達はゼロベースの中から、自ら興味のあることや、すべきことを見つけ探究していく経験を積むことができます。

これが本当に徹底されているのが、他の教育にはないTSSの教育の特徴1つ目です。スタッフと呼ばれる大人は、生徒たちが自ら自分を育てられる環境個人の活動を自由に行える権利を持ちながら、その結果への責任も学べる環境を整えています。

社会を学ぶ

また生徒は、スタッフと共に自分たちのスクールコミュニティーに必要なシステムを自分たちで作れる権利とその責任があります。

これを徹底しているのが他の教育にはないサドベリー教育の特徴の2つ目です。
つまり、自分の属する社会を自分の手でデザインできる機会が与えられ、実践を積むことができます。

実社会でもお互いを尊重し合う必要があるように、この学校でも生徒とスタッフがお互いを尊重し合う必要があります。

ミーティングと呼ばれる話し合いにおいても、学校経営や校則(ルール)づくり、スタッフの人選など、あらゆることに生徒もスタッフも自分の意見を伝えあい、平等に1票の権利と責任を行使できます。

皆のことは皆で決める経験。私たちはそれが社会で他人と生きるうえで必要なことだと考えています。

そのためサドベリースクールは市民教育の実践場となっており、それはまた「社会の一員としてどう生きるか」という人格形成にもつながっています。

つまり生徒たちには「自分のことを自分で決められる権利と責任」があり、「自分たちも社会をつくっていく権利と責任」が与えられており、それらをいかによりよく使うかということを学んでいるのです。

生徒たちは「自分を知ること」「自分と他人を大切にすること」「社会の主権者であり責任感を持つこと」体験を通じて学んでいきます。

このような経験を積み重ねることによって、生徒たちが自立した大人へと成長していくことができると、私たちは考えています。

自らの活動を自分で決める経験から、自由に生きるための自発性や自己決定ができるようになっていきます

様々な年齢の生徒・スタッフと関われ、他者と平等な関係を築く在り方やコミュニケーションを経験できます

個人のことは、個人が責任を持つことを学べます

自分と他者を尊重し、心も体も危険がなく安全安心な社会となるよう、1人ひとりが思いやりと社会常識を持った行動を取ることを学びます

スクール自治のすべてに1票を持つ、本物の主権者教育を経験できます

必要なライセンスを取得すれば、スクールの様々な物を使用したり行える権利が持て、自ら活動を広げるためには行動する必要があることを学びます

入学方針・在籍方針を満たすことで、長期的にじっくり自分を育てられるよう在籍し続ける権利を持て、望む社会に居続けるためには必要なことを行うことを学べます

スクールの一員として、自主的、自律的にスクールの教育と活動に完全に参加する責任があります

スクールのことは、スクールの一員である全ての個人が責任を取ります

公の決まりごとや活動は、個人より優先されることを学べます

自分のことを自分で決められる自由があります

東京サドベリースクールでは、生徒が人生で自分のしたいこと・必要があることを追求できるよう、スクールであらかじめ設定した授業や時間割、プロジェクトやテストなどを設定せず、何をするのか・しないのかを生徒自身に任せています。

東京サドベリースクールには、人が生まれながらに持つ好奇心が尊重され、生徒たちは興味や関心、好奇心を発揮して、自分が満足するまで自己実現を追求できる自由があります。

スクールでは自分にじっくり向き合う生徒もいれば、興味のあることを探し追求する生徒もいます。楽しみ喜ぶ自由も、悩み葛藤する自由もあります。大事なことは現実に直面し、いかに生きるのか。私たちは生徒一人ひとりの学びを信頼しています。


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自主性が育まれやすい環境です

東京サドベリースクールでは、生徒自身の世界の邪魔をせず、それぞれの生徒のペースで在ることを大切にしています。

生徒は個人のことを誰からも指示されたり与えられたりすることなく、自らしたい活動・必要がある行動を見つけ、一歩を踏み出す経験を積み重ねていきます。

自ら成長しようとする時、人はプロセス自体が喜びであり、夢中、フローやゾーンと呼ばれるものを体験します。サドベリー教育はそれらを経験しやすい環境にしています。

また東京サドベリースクールでは、法律やスクールのルール違反などをし、スクール内でのミーティングでペナルティなど与えられない限り、誰も何も個人の人生に指示や与えられることがありません。

そのため、自ら気づき、動き、結果を受け止める必要があります。このような環境の中で、あらゆることを自分で選択し、決定し、行動する自主性が育まれていきます。


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自らの卒業は自分で決めることができます

生徒は在籍期限満了まで待たずとも、自分の卒業する時を自分で決めることができます。サドベリー教育では生徒それぞれで、学ぶ内容やペースなどが違います。そのため、自身でいつ卒業とするかを決めることができるようになっています。

東京サドベリースクールはサドベリー教育を実践するため、学校教育法第一条の学校(一条校)ではありません。そのため東京サドベリースクール卒業としても法的な効力はありません(※1)。

しかし東京サドベリースクール卒業生になりたい生徒は自ら卒業希望を申請し、皆の承認を得て卒業生と名乗ることができます。「この生徒は、東京サドベリースクールの卒業生として社会に出てふさわしいか」を皆で決めています。

※1中学校卒業程度認定試験/高等学校卒業認定と呼ばれる試験で中卒/高卒と同程度の資格を得る生徒もおり、認定後は高等学校や大学などを受験することができます。
ご自身の小中学校に在籍したまま東京サドベリースクールに通い、そのまま小中学校の卒業資格を得るケースもあります。


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多様な異年齢の中で過ごします

東京サドベリースクールは沢山の同じ年齢の人が同じことをするよりも、少数でも年齢も活動もみなが違うことをしている多様性を大切にしています。

学年やクラス分けがなく、スタッフを含む幅広い年齢の人々と過ごす生徒たちは、あらゆる人間関係の中で成長します。年上、年下、同年代の生徒同士でも入学までの経緯や性格、活動も違います。

また社会経験のあるスタッフからは社会について、大学生ボランティアスタッフからは大学生活についてなども日常の中で自然と話をしています。

年齢もバックグラウンドも異なる多様な人々と関わることで、自分自身の発見、年齢関係なくともに楽しむこと、相手に敬意を持ちつつ自分の主張と相手を受け入れるコミュニケーションの方法などを学んでいます。


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自分の人生に責任を持つことを学びます

東京サドベリースクールでは、1人ひとりの生徒が尊重され、何をするのかしないのかの選択は本人に委ねられています。そして生徒がスクールで行う活動を選べるということは、生徒自身が選択に責任を負うということです。

広い社会ではどのような選択にも結果が伴うことを、東京サドベリースクールでは体験を通して他のどのような教育よりも早く深く経験し学びます。

また活動のみならず、起きた出来事や自分の中から出てきた感情などにどう対処するかも自分で行う必要があります。
「汝自身を知れ」とは古代からの格言ですが、サドベリー教育は自身で内省を行いやすく、本当の自分を知りやすい環境になっています。感情や結果は使い方によってその一助となりますが、その分自分で対処しなければなりません。

しかし起きた結果や出てきた感情のコントロールが難しくとも、出来事にどのような意味を持たせるか、またその結果どのような行動をするかは自分で選ぶことができます。

時間をかければ自然と自分の内側から湧き出てくる感情自体も変えられます。それらを行うのは自分しかできません。ですから自分の人生の責任は自分しか持てないのです。

このように自分の人生には、自分で責任を持つ必要があります。生徒たちは様々なスクールの特徴や自身の活動から、自分の人生に責任を持つ必要があることを学びます。


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自責と他責

東京サドベリースクールは自分を知ることがしやすい環境ですが、その分自分に向き合わなくてはなりません。自分に向き合うから自分を知ることがしやすいのですが、本当に自分に向き合うということは、辛く苦しい時もあります。

また慣れていないと他人や周りのせいにすることで自分を守ろうともします。人は自責や他責を続けることで自分に向き合わなくてもよい環境を自分でつくりだします。

「自分には何もない」「今日もこれをやらなかった自分はダメだ」「あの人のせい」「社会が悪い」など、一見良くないことのように見えますが、その気持ちが出てきた時にどう行動するかは自分で選べます。

自分を責める、他人を責めることで現実は良い方に進むか。自責・他責が内面から出てきたときに、どういう行動を選択するのかも、喜びや楽しみと同じように大切なことだと考えています。
サドベリーバレースクールのスタッフも「むしろより本質的である」と話しているほどです。


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自由と自分勝手

東京サドベリースクールの生徒には個人の活動を自由に行える権利がありますが、それは自分勝手にふるまってよいということではありません。
自分の都合だけで周りのことを考えていなければ、それは自由ではなく自分勝手となりやすいのです。

私たちは、法律やスクールのルール、マナーも含めて、自分の自由も大切にしつつ、周りのことも大切に生きる在り方や社会性も身に付けてもらいたいと考えています。

生徒には自分の人生を自由に自分らしく生きてもらいたい。それは自分勝手に生きるということではなく、自分の自由も周りの自由も大切にする生き方です。


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信頼関係は自分からつくる

東京サドベリースクールは皆で決めることのできるルールと、1人ひとりが信じ・信じられる信頼関係で成り立っています。

スクールルールで場を治める法治でありながら、1人ひとりが自ら在り方や行動を信頼し合う徳治でもあります。この両面がバランスよく機能することで、スクールが心地よく公平な環境となることを目指しています。

信頼関係は自ら動いて築いていく必要があります。自ら動く経験を積むサドベリー教育を選ぶことは、生徒の自発性や、在り方生き方を育む環境を選ぶこととなっています。


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生徒の学校運営への参加

生徒は大人と対等な立場で、自分たちのルール作りから、学校経営の議論と決議、スタッフ選考など、すべてのミーティングに参加でき、一票の権利を行使することができます。

サドベリースクールは民主主義での運営を取り入れていますが、それはサドベリースクール発祥の地アメリカも、現在の日本も民主主義国家であるからです。
民主主義国家に生きる生徒は、それが家族のような小さな社会であれ、国や世界のような大きな社会であれ、民主主義を経験する必要があります。

ミーティングには、毎日のミーティングや週に2度の経営ミーティング、司法を司るルールミーティングなどがあります。また大きなことを決める週1度のスクールミーティング、年2度の学校総会などもあります。


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話し合いで決める・解決する

スクールの中のことは、生徒とスタッフが複数いる話し合いの場(ミーティングなど)で決定・解決することができます。

スクールの運営について話し合う、新しいルールをつくる、ルール違反について解決策を決める、入学者希望者を受け入れるか否かなど、様々なことに生徒が参加でき、1票を行使できます。

誰かが独断的に決めることはありません。もし誰かがある特定の分野での決める権利を持つ場合も、過度な権力とならないよう話し合いにより決めています。


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自らの手で活動が広がる

スクールには生徒とスタッフで少しずつ揃えた様々な道具や、応援者にご支援いただいたものがあります。

その道具は使い方によっては危険が伴うものも。しかし、きちんと取り決めやルールで決められたライセンスを得られれば、生徒も使えるようになります。

また近所の公園でスポーツをしたり遊んだり、カメラが趣味の生徒がロケのために外出できたりもします。こちらも、ルールに則って外出許可を得て外出します。

生徒だからと何でも自由に使えるのではなく、また何でもダメということもなく、社会と同じように必要な物事にはライセンスがあるのだということ。またきちんと扱えるようになれれば使うことができることを経験しています。


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自分を育てる期間は自分で決める

東京サドベリースクールは入学時期を自分で決められるように、生徒は「ここでの学びは終わった。次のステップに進むときだ」と考えたら、自分で卒業にチャレンジすることができます。

在籍上限年齢まで待たずとも、自ら次のステップへ進むことができるのです。
生徒によって望むものや在籍希望期間は違います。どの年齢で入学しどの年齢で卒業にチャレンジしてもよい環境ですが、次年度もサドベリースクールで過ごし学びたいのであれば、毎年在籍にチャレンジし続けることもできます。


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選ぶ権利と選んだ責任

東京サドベリースクールを選ぶということは、自主的に、自律的にスクールの教育と活動に参加するということであり、またスクールコミュニティーの一員としてスクールの活動に参加する責任があります。

自分を育てる環境を選ぶ権利を行使し、選んだのちはその環境で積極的に学びを生み出す。この社会に通じる経験をすることが、自ら選び自由に生きるために大切だと考えています。


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自己実現と他者貢献

東京サドベリースクールでの学びや経験する内容は生徒それぞれですが、その1つに自己実現があります。生徒は、自分は誰かに育ててもらうのではなく、自分を育てる責任は自分であるという、成長するための大切な根本原理を学びます。

そしてあえて他者から与えられないからこそ、自分が何に関心があるのかを自分で見つける力を養えます。なにも授業やカリキュラム設定がないからこそ、なににでもチャレンジし、追求することができるようになっているのです。

またサドベリー教育は、他者と生きることを学ぶ教育でもあります。そのためにスクールという形と、民主的な運営という型にしています。スクールコミュニティーの一員として、自分勝手ではいけませんし、無関心でもいけません。

また過干渉やコントロール、依存も人間同士の風通しが悪くなってしまいます。他者に生かしてもらっていることに感謝しつつ、他者に貢献することを経験する。それが自立の一側面であると考えています。


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スクールコミュニティーの一員として

生徒は東京サドベリースクールで、今後あらゆる社会(家庭から国や世界まで)では、その社会の一員としてふるまう必要があることを学ぶこととなります。

これは、個人として学ぶことを選べるというものではなく、スクールコミュニティーの一員として学ぶ必要のあることだからです。
そしてそのコミュニティーの一員としての権利や責任、ふるまいや在り方の実践は、なかなか経験できるものではありません。

生徒はサドベリー教育ではスクール運営などに権利を持つことはよく知られていますが、それ以上に属するコミュニティーの一員としてどう在るのかを経験していきます。

それは生徒が今後それぞれの属する社会でより良く生き、またより良くできるようになるための練習でもあります。


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個人と社会

個人が集まって社会ができますが、この個人も含めてできるだけ多くの人の自由や権利を大切にするために、社会ではルールやマナー、決まりごとや活動などがあります。

皆で決めたルールやマナーは守る必要があり、例えば皆で決めた掃除の時間になったら、いくら自分で好きなことをしていても中断し掃除をする必要があります。
それも見越して自身の活動をするなど工夫もできるようになっていきます。

東京サドベリースクールは、個人が好きな活動をするだけの教育ではなく、生徒が個人と社会との関係性を経験することも大切にしています。このことで、自分のことも、周りの人や社会も両方大切にできることを学びやすい環境となっています。

ただし、もし本当に公の決まり事などをより良く変えたいのであれば、自分で動いて変えることもできるのがサドベリー教育です。

社会をより良く変えたいのであれば、まずは自分から動く必要があることも学ぶことができるのです。


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