なぜTSSに入学されたのですか?

体験入学してみて、自分の時間に自分で責任を持つことに魅力を感じました。また、「何もしないこと」を選んでやっている、というとらえ方が面白いと思いました。TSS入学時、何がしたいか分からない部分もありましたが、どこかで自分がやりたいことが出来た瞬間に、何にも止められず行動に移せると思ったからです。

Q. 現在、何をされていますか?

現在、外資系のIT物流企業で人事の仕事をしています。現場の従業員と向き合いながら、より働きやすい職場づくりに取り組んでいます。自分で考えて動く余地が大きい環境なので、やりがいも感じています。サドベリーで「自分の時間をどう使うか」を日々考えていた経験が、今の姿勢に繋がっているのかもしれません。

Q. TSS時代の思い出や、印象的なエピソードを教えてください。

毎週一回、「なべ部」という活動を発足して、みんなで鍋を作ったのを覚えています。回を重ねるごとに参加者が増えていき、いつの間にか毎週の楽しみになっていたのを今でもよく思い出します。特別な行事ではなくても、みんなで囲んだ日常の一コマが強く残っています。

Q. あなたにとってTSSはどのような学校でしたか?

在校中は、やりたいことをやるので精一杯だったと思いますが、あとから振り返ると、自分の内側を見つめ、気持ちやキャリアの棚卸をする場所だったと感じています。家庭、学校、友達などの人間関係や、進学、習い事、将来のことなどで、心がいっぱいいっぱいだった自分の気持ちを整理するのを手伝ってくれた場所でした。

Q. TSSに通い、どんなことが仕事や人生に役立っていると感じますか?

TSSでの経験は(ミーティングやルール決めなどの話し合いから、パーティーなどの集い、時にはケンカまで)、小さな国ではないけど、一つのコミュニティーの中で自分の行動が環境や相手に影響されることを肌で感じました。

実社会を早くから経験できたこと、必要以上に子ども扱いされないことで、私はおのずと自分の意見ややりたいことが見えてきました。義務教育を足し算と表すなら、TSSでは引き算を行って、自分と向き合うことで、やりたいことが見えてきたのかもしれません。

Q. 新たに後輩となる皆さんにメッセージがあればお願いします。

何かわからない漠然とした不安や、もやもやすることは今でもあります。でも、「それでいい」って、自分に言えるようになった気がします。サドベリーに行くことも最初は不安だったし、それが正解だったかも分かりません。でも僕は、それでよかったと、今は思えています。

TSSに在籍後、海外の高校、日本の大学を経て、外資系企業に入社。

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