【サドベリー日記】8歳生徒の初ビジネス

日本では「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、
東京サドベリースクール(TSS)の根本的な考えにも、
『人は、本当にやりたい・必要だと感じたときに、一番よく学ぶ』
というものがあります。

先日、8歳の生徒がクリスマスパーティーで、大好きなワッフルを作り販売して、利益を上げるという経験をしました。

自分の力で成果を出したことはもちろん素晴らしいことですが、
私たちが心動かされたのは、その結果に至るまでのプロセスに現れた「変化」です。
自分の好きなことを自分の内側で楽しむ「趣味」の世界から、
自分の「好き」を通じて誰かを笑顔にする「仕事」の世界に変化したことです。


目に見える結果だけでなく、その裏側にあるプロセスや根っこの成長にこそ、教育としての本当の醍醐味があると考えています。

今回その8歳の生徒は、自身の好きなワッフル作りを通じてよりお客さんに
「美味しい!」と思ってもらうものになるよう主体的に創意工夫したり、
納得のいくものを提供しようとする自分への誠実さや姿勢を身に付けている姿を目の当たりにしました。

また入学前は「与えられる方が楽」とのことで自らあまり新しいことに挑戦しづらかったのですが、
今回は味を選べるようにチョコチップ味にもチャレンジするなど、変化を見て取ることができました。

商売にはお金が関わり、そこには数字が伴います。
原価計算からどのくらいの売上や利益を見込むか、
数字がもともと好きな彼女は、原価率など様々な計算も楽しそうに行っていました。

今後自分の特性を肯定できるプロセスとして、よい経験の1つになってくれていたら嬉しく思います。
「食品ロスをなくすためと、売上安定のために、事前注文制にする」
という論理に基づく経営判断をすることや、
当日もさらに売り上げをあげられるよう注文以外に数量限定で当日販売できるようにも考え実行しました。

事前に材料やできる範囲の計量も準備し段取りや自己管理を経験したり、
パーティー当日も誰よりも早く来て責任感がある姿を見せてくれていました。
当日は、注文いただいた通りに販売でき、また当日販売分も多くご購入いただきました。

「注文ありがとうございます」
「こちらご注文のプレーン味いくつと、チョコチップ味いくつです。全部でいくらになります」
「ありがとうございます」
などのお互いが気持ちよくコミュニケーションできる言葉づかい、
またお金を触ったらまた手を洗ってから食品を扱うことなど、衛生管理という安全安心の大切さもスタッフに教わりながら真剣に行っていました。

そして週末のパーティー後の週明けにお金の計算を一緒にしたら、きちんと利益も出て結果がでる成功体験もできていました。


ご自身のお子さんも本校に8年通われた保護者であり、
お金と幸せの専門家である作家の本田健さんは、
「ビジネスの基本は、自分が大好きなことで、人に喜んでもらい、お金になることをすること」
と以前おっしゃっていました。

彼女はこの度の一連の流れを通して、8歳にしてビジネスで大切なことをたくさん経験しました。
そのどれもが、本人が実際に体験したものです。
人は経験の前では謙虚になります。

よく考え、実際に自分の手足を動かし、予定通りにできたことも、できなかったことも、その責任は自分で負うことになるからです。
それは骨身に染みます。
こういうものを、生きた学び、本当の経験というのだと思うのです。
そして最後に、彼女は構想段階で、
「売り上げはサドベリーに寄付したい」
と言っていました。
学校経営のミーティングに日々参加していて、スクール運営がうまくいくようにしたいとの理由からでした。

それならばと話し合い、経費をスクールから出し、その売り上げをスクールの事業収入にしようとなりました。
自分で材料を買い、利益が出たら自分のものにもできたかもしれません。もちろんそれも良いでしょう。

ただその発言が出てくることが、彼女が生コミュニティーの一員としての自覚を育てるTSSの教育を学んでくれていること、
そして、何を得るための手段である自他の能力を活かし伸ばすこと、
それをどう使うかを左右する軸としての人間性の在り方が育っていることを実感できました。

この「人間性と能力の合致」こそ、TSSの教育における質の高い学びとして、
スタッフとしてとても嬉しく感じた出来事でした。

(スタッフ 杉山)


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