【スタッフ教育コラム】なぜアイデアや計画が実行されないのか

東京サドベリースクールでは、学校経営や日々の運営に関する公的活動にも、生徒が主体的に関わることを経験します。

先日行われた経営ミーティングのある議題では、今年度も後半になり、年末も近づいてきたこのタイミングで、「なぜアイデアや計画が実行されないのか」というテーマについて話し合われました。

もちろん、皆で考えた『スクールがもっと良くなるため』の施策で、日々活動し、結果が出ていないこともありますが、結果が出ていることも色々あります。
こちらは実行されているため今回はよく、問題はそもそも実行されていない施策についてだという話になり、今回の議題となったのです。

この議題【アイデアや計画が実行されない理由とその解決策を考える】に対し、4人の生徒が自主的にタスクフォースに立候補。年齢も在籍年数もバラバラな生徒たちが、一つのチームとして机を囲み、パソコンの画面を見ながら意見を出し合っていました。


ミーティングでは、それぞれの視点や経験が活かされます。

まずは各自が自由に意見を発言していきました。
ある生徒は「内容が難しくて」と発言し、別の生徒は「実はあまりできると思えていない」など、率直な意見を付け加えます。

「先のイメージがわかない」や「やり方がわからない」など、誰かに言われたことを先のイメージがなくとも日々こなしてきたためや、またやり方をこれまで指示されてきたために自らやり方を調べたりしてこなかったといった、教科の知識はあれど、それら経験をこれまで充分に育てて来なかったことがわかるような発言もありました。

また、自分だけや、自分たちだけでは思いつかないこともあるから、インターネットやAIなどでも調べることで、もっと「根本的な理由」に迫れるのではとなり、それらを分類していきました。

TSSでは、このように生徒も自らが自分たちのコミュニティの課題を見つけ、解決のために考えて、議論しています。

私たちにとっては、そのこと自体が学びの柱の1つです。
大人や教師が指示するのではなく、我々も必要なサポートはしつつも、生徒が自分たちで実行計画を組み立てる力を育てています。

パソコンを囲む4人の姿は、単なる作業ではなく、対話と探求を通じて問題解決力を磨く学びの瞬間そのものでした。
最終的に生徒たちは、作成してくることになっていた内容を期限日の経営ミーティングまでにつくってきました。

こうしたプロセスを経験することで、生徒たちは「期日と信頼」や「そもそもどうして?」といった目的や根本を考えること、また「自分に何ができるか」「大人や会社でも計画が実行されないことがあるので、計画をちゃんと実行に移すための仕事まであること」などを知っていきます。

東京サドベリースクールの教育は、単に知識を教える場所ではありません。
もちろんスタッフが日常的な会話やミーティングなどを通して様々な知識や経験を伝えることもあります。

ただそれらと共に、生徒たちは仲間と共に課題や希望を考え、時間をかけて探求し、空間の中で自分の意志を試していく。
そんな名もなき日々の積み重ねが、子どもたちの人間性を育んでいます。

今回の「人は計画が実行できないものなのだから、どうすればよいのか」ということからも、生徒たちに1つでも気づきや学びがあったなら嬉しく思います。

(スタッフ 杉山)


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