【スタッフ教育コラム】遊びの中で育つ力

東京サドベリースクール(TSS)では、生徒たちが自らの興味関心にもとづいて経験や学びを深めていきます。
この成長のプロセスは、最近スクールで流行っているルービックキューブを解く過程と多くの共通点があります。

ただ遊んでいるだけ?
いやいや、「ルービックキューブをしている」ことをもう1段深く見てみましょう。
例えば「~力」のように置き換えるならば、次のように表現することもできます。


<ルービックキューブを通して育つ6つの力>

1.問題解決力
ルービックキューブのパターンを見て「どうすれば色が揃うか?」と考えたり試行錯誤を繰り返すことで、問題を解決する力や、どうすればできるのか考える論理的思考が鍛えられます。

2.記憶力と集中力
ルービックキューブには明確な揃え方というものも存在します。初心者はまずは、触りながらその動かし方やアルゴリズムを覚えることが第一歩。そのため記憶力が高まります。さらに集中して取り組まなければ手順を飛ばしたりずれたりしてしまうため集中力も向上していきます。

3.空間認識力
ルービックキューブでは、前後・左右・上下の3次元的な動きをイメージしながら操作するため、空間認識の力が発達します。これは数学や科学の基礎力につながります。マインクラフトというゲームでも使われている力ですが、TSSには時々とても算数・数学系が好きな生徒や大人がいて、マイクラやキューブ、そして実際に建築の仕事を目指したりします。

4.自己教育力
自ら学び、工夫し、試行錯誤するプロセスは、「自ら学ぶ力」を養います。自ら主体的に行うことで、他の様々な状況や場面でも応用できるようになります。人生では知的好奇心や必要性に迫られて、そして生きていくために常に学びがそばにあります。そして失敗しても再挑戦する経験が、粘り強さも育みます。

5.情緒の安定
ルービックキューブに熱中することで、集中して気持ちを整える時間が生まれ、ストレスの軽減にも役立ちます。慣れると指を動かしつつも、頭は何も考えない”無”の状態になります。スタッフも疲れてきたらよくルービックキューブをしてリフレッシュしているくらいです。

6.コミュニケーション力
ルービックキューブは、スタッフに教わったり、友達に教えたり、家族と一緒に楽しむことで、教え合いや励まし合いが生まれ、自然とコミュニケーションの機会が増えます。教わる力と教える力の双方を身に付けていきます。そして共通のものを通して、人とコミュニケーションを取り、できた喜びを分かち合うきっかけになります。

どれも「試行錯誤」や「自分で考える」ことを必要とし、また揃え方やスピードアップの方法などを「研究」したり、失敗しても「粘り強く挑戦する」こと、そして「おもしろがる」ことが鍵になります。
さらには”守破離”のように、決められた手順で揃えられるようになったら、今度は自分独自の揃え方を考えるようになっていきます。
そしてそれらは、脳や身体、行動や心の発達にも影響を与えています。

TSSでは、ルービックキューブをはじめ自由な活動を通して、子どもたちが自らの興味を深められる環境にしています。
「なかなかできない」おもしろさも、「できた!」という達成感も、自己肯定感を高め、次のチャレンジへの意欲につながります。

(スタッフ 杉山)

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