【新年度のご挨拶】子どもの自由と民主主義をあきらめない

東京サドベリースクールは本日、開校から18年目となりました。
人間でいえば成人の年となります。

私たちにとって東京サドベリースクールは、生徒一人ひとりの人生そのものです。
開校以来、私たちにとって子どもたちは、単なる教育の「受益者」ではありませんでした。

学校を運営していると、子どもに色々なものを与えること、スクールの経営を優先させること、社会の期待に応えること——さまざまな「選択肢」に向き合う場面があります。
もちろんそれらが間違っているわけでもないし、批判するつもりもありません。

しかし、その中で私たちは何度も立ち止まり、自問してきました。

「我々にとって最も大切なことは何か?」

それを、まさに生徒である子どもたちとともに、考え続けてきたのです。

時には「自由」であり、またある時には「民主主義」でもありました。
「人権」「自立」「地球環境」でもあり、「社会の制度」「人々の意識」でもあった。

その全てにつながっていること。
それは『きちんと向き合う』ことだと考えています。
スタッフは目の前の一人の子どもに向き合い、自分自身に向き合い、他者や社会と向き合います。
そしてその子どもたち一人ひとりも自分に向き合い、世界と向き合う。
時には一人静かに、時には対面や輪になって話し合いながら。

その環境として、東京サドベリースクールは『小さくともおもしろい学校』でありたいと考えています。
ルールやマナーを大切にしていれば、個人の活動は何をしていてもいい自由。
生徒にも自分たちの社会であるスクールの全てに1票と責任がある民主主義。
そして生徒もスタッフも関わる全ての人が、安心して過ごせる環境を守ることを選びます。

真理や理想、本質を追求したら、往々にて一般的な枠組みから外れることはよくあることです。
ニコラウス・コペルニクスは天動説から地動説を唱えました。
イヴォン・シュイナードはパタゴニア社の目的を、地球を救うためにビジネスを営むとしました。
勝海舟は幕府という枠組みを守ることではなく、日本という国そのものが生き残る道を選びました。

私たちを、既存の教育の枠組みから外れていると思う方も多いでしょう。
1つの道とは違うものを、代わりのものであると思っている方も多いと思います。

しかし、子ども自身が自分をどう育てるかをスクール内で決められ、また社会でもどのように自分の道を歩むか決められる。
野球だけがスポーツではないし、野球の代わりにサッカーをするわけではないですね。
全ての中から自由に選べる。
これは当然子どもにもある、人権であると考えています。

大人からしたら、子どもは未熟で、考えられないから、大人が導く必要がある。
だから勉強させなければならないと思うことも無理はありません。

もちろん、人生の長さや、考える深さは大人の方が慣れているかもしれません。
でもだからこそ、子ども時代から、自分に向き合い、考え、行動すること。
他者や社会について思いを寄せることが、それらができる大人になっていく道でもあると考えています。

それは、短期的には非効率に見えるかもしれませんが、子どもたちの人生という長い時間軸で見たとき、最も誠実な選択だと私たちは信じています。

私自身、最初から「学校経営者」になろうと思っていたわけではありません。
ただ、子どもたちが本来持っている力を信じ、その力が自然に発揮される学校をつくりたいという思いから、この活動を続けてきました。
そして、その過程で、既存の教育のあり方そのものに問いを投げかけることになりました。

理想と現実の間には、いつも簡単ではない選択があります。
けれど「より良い選択肢がない」のならば、自分たちで新しい道をつくるしかありません。
私たちは、教育の世界においても「誰かの正解に従う」のではなく、『自分たちの目的に進む』ことを選び続けます
真に子が自立し、自立した社会をつくっていけるには、どうしたらよいか。

東京サドベリースクールは、子どもたちの自由と尊厳を守るために存在しています。
そして、そのために生まれる価値を、再び子どもたちの未来へと還元していきます。

本来社会の仕組みも、教育のあり方も、決して固定されたものではありません。
私たち一人ひとりの選択によって変えていくことができます。

私は東京サドベリースクールの共同設立者でもあり、代表理事でもあります。
教育機会確保法(略称)という、法律作りの共同発起人でもあり、運営委員でもありました。
また数百名規模の講演会やイベントで、広く教育の意識変容についてお伝えしても来ました。
もっと子ども達が自由で民主的な人として人生を楽しんでほしい。
そういう社会に、子どもと共にしていきたいという想いから活動しています。

もちろん、既存の教育の学校もあった方がいいと考えています。
なぜならそこが好きな子もたくさんいるからです。
でも他の教育や育ち方も選べるのが、子どもの人権であり、自由であり、民主主義ではないでしょうか。
好きなスポーツを選べるように、好きな教育や育ち方を選べるようにしていきたい。

少し夢のないようなことを言えば、子どもたちのみならず、人間の可能性は無限ではないかもしれません。
しかし、適切な環境と信頼があれば、その可能性は驚くほど豊かに広がっていきます。
そしてその環境は、一人ひとりにとって違うはずです。

まだ、間に合います。

私たちが本気で向き合い続ける限り、教育も、社会も、より良い方向へと変えていけると信じています。

これが、私たちが見つけ、そしてこれからも歩み続ける道です。

東京サドベリースクール
ファウンダー/代表理事
杉山まさる


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自分の可能性を信じたいお子さんにお会いできること、楽しみにしています!
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オープンデイ (毎月週末・親御さんのみも歓迎)
 サドベリースクールをプチ体験しませんか?生徒への質問もできます。
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親子見学】(毎週火曜親御さんのみも歓迎)
 生徒の様子をご覧いただいたり、お子様が生徒と一緒に過ごせる時間もあります。
 https://tokyosudbury.com/tour/

1日学校体験
 生徒と同じように1日サドベリースクールを体験できます。
 https://tokyosudbury.com/school-experience/

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