【サドベリー日記】世界環境デーに考える「どう生きるか」子どもたちが日常の中で学ぶ、地球とのつながり
6月5日は、世界環境デー
世界中でさまざまな取り組みが注目されるこの日ですが、東京サドベリースクール(TSS)では特別な環境の授業があるわけではありません。
環境問題という言葉を聞くと、プラスチックごみや温暖化、再生可能エネルギーなど、大きなテーマを思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし、TSSで子どもたちと過ごしていると、環境との関わりはもっと身近なところにあるように感じます。
今日はスタッフと生徒みんなで、焼き肉ランチをしました。プレートを囲って、笑い合って、にぎやかなひと時。
そのさなか、あるスタッフがホットプレートに残った油をキッチンペーパーで丁寧に拭き取ります。
「スタッフの実家は海が近くてね。こういう油がまわりまわって、自然が汚れるのは嫌なんだよね」
環境についての授業ではありません。特別なイベントでもありません。
ただ、誰かが大切に思っていることを、日々の行動として実践している姿がそこにあります。
添付の写真も、まさにそんな日常のひとコマです。
みんなで食事を囲み、楽しみながら過ごす時間。
生徒たちはその動きを見て、自然と油を拭き取るようになっていました。
声に出して「わかった」と言うわけでもなく、ただ、自然に。
その姿は「環境を守ろう」と決意したというよりも、大切な誰かの大切なものを、大切にする。
そんな感覚に近いかもしれません。
子どもは「言葉」より「生き方」から学ぶ
TSSには環境に関心を持つスタッフや保護者が少なくありません。
スクールでは、海に流れ着いたごみを再利用して作られたフリスビーで遊ぶこともあります。
環境に配慮した企業の商品を選ぶ保護者もいます。
スクールの家具の多くはリサイクル品ですし、日々使う石けんも環境への負荷を考えて選ばれています。
けれど、それらを「こうするべきです」と教えることはほとんどありません。
公園で遊んでいてごみを見つけたら拾う。物を大切に使う。食べられる量だけお皿によそう。

そんな大人や先輩の姿を日常の中で見ながら、生徒や後輩は言葉より行動から感じとります。
隣で丁寧に油を拭いている人を見ながら、何かがそっと伝わっていきます。
それがTSSのごく普通の日常です。
「環境」は未来の話ではなく、今日の選択
環境問題は、遠い未来の誰かが解決する課題ではありません。
蛇口を閉めることも、食べ物を残さないことも、公園でごみを拾うことも、すべて今日の選択です。
そして、その選択の積み重ねは、「どんな社会をつくりたいか」「どんな人として生きたいか」という問いとつながっていきます。
スクールでは、子どもたちが自分で考え、自分で選び、自分で行動する毎日がありますが、
その中で環境もまた、教科として学ぶものではなく、自分の生き方と結びついたテーマとして自然に存在しています。
「どう生きるか」を自分で考え続けていくなかで、環境は自然と視野に入ってきます。
その感覚が「誰かに教わったもの」以上に、「自分が感じたもの」であること。
TSSはそれを大切にしていきたいと思います。
(スタッフ 杉山)
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