【スタッフ教育コラム】「根っこの力」を育ててほしい

「この電車、どこで乗り換えればいいんだろう?」
現在、次回の外出企画を生徒たちと一緒に進めています。
先日、どこに行くのかを皆で話し合って決めました。
本日のこちらの写真は、テーブルを囲んで、タブレットやノートを手に路線を調べる生徒たちです。
電車の乗り換えにまだ慣れていない生徒も、普段あまり電車を使わない生徒も、画面をのぞき込みながら一緒に考えていきます。


東京は公共交通機関を使えば、ほぼすべてと言っていいくらいの人・場所・体験にアクセスできるのが魅力の1つ。
そのため、スクールで外出する際も、普段の移動は主に電車などを使っています。
まずは「何時にどこに集合するか?」「どの電車に乗るのか?」「どこで乗り換えるのか?」を、自分たちで調べるところからスタート。

生徒の中には、乗り換えにまだ慣れていない生徒や、電車に乗る機会が少ない子もいます。
そして何より、入学間もない生徒は『自分でやらずに、ずっとやってもらってきている』ものです。
そのため、スタッフが「自分で調べるんだよ」と伝えると最初は「え~?!」という生徒も。

でも、教育とは生徒のレベルアップのためのもの。
そのジャンルがそれぞれ違い、TSSは自分の人生を自分でつくれる、真に自立して生きていくためのものとなっています。

大人が全部のルートや時間を調べ、印刷して渡すことは、もちろんできます。
そしてその方が、大人にとっては簡単で時間も短くて済みます。
でももちろん、あえてそうしません。
それでは生徒一人ひとりの「自分で移動できる力」、もっと根本的には「自分でなんとかする力」にはつながらないからです。


「どうすればいいか」より「なぜするのか」を問う力
昔はどこかに行くには、地図と乗換案内を使っていましたね。
今の時代、スマホを使えばルートはすぐにわかります。
これからは、AIに聞けば、さらに多くのことが解決できるようになっていくでしょう。
でも、その指示をするのは結局、人間であり、自分自身です。

周りからずっとお膳立てされてきた子、指示をされてきた子は、
その環境から「そもそも、なぜ? 」と前提に気づき、考え、自ら動く力が養われづらくなっていきます。
与えられた答えをこなすだけでは、「そもそも、なぜ?」と根本から問う力はなかなか育っていきません。

魚を与えられ続けてきた子は、魚を釣ることはできない。
魚を釣ることを指示されてきた子は、なぜ魚を採るのか考えずにただ魚を釣ります。
自分はなぜ今魚を釣るのか、もっといえばお腹を満たすのが目的であれば魚でなくてもいいのではないか。
そのように、根本を考えること。目的を自分で感じ、気づき、考え、動く。
そしてその責任も自分で取る。
その積み重ねが、本当の「生きる力」につながっていきます。


迷いから始まる
「これかな?」「違う、こっちじゃない?」。
画面をのぞき込みながら話し合う生徒たち。年齢の違う生徒同士が、自然と教え合い、相談し合っています。
どこで乗り換えるのか。迷いながら自分で考え、周りに聞き、最後は自分で決め、その結果にも向き合っていく。
この小さなプロセスの積み重ねが、「なんとかする力」という根っこになっていきます。


外出企画は、ただ出かけるだけの時間ではありません。
まったくのゼロから始まり頭を悩ませる多くの時間も、いつか生徒たちの中に生きる知恵として残っていくと信じています。

(スタッフ 杉山)

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