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ダニエル・グリーンバーグ氏からのメッセージ
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吉本ばななさん×本田健さん対談
「裁判の傍聴に行ってみたい!」
という生徒の希望があり、さっそく先日、傍聴に興味のある生徒達と行ってきました。
訪れたのは『東京高等裁判所』。東京都千代田区にあります。
こちらは徒歩圏内に最高裁判所もあり、皇居、国会議事堂、国会図書館、警視庁や警察庁、国立劇場まである、国を代表する機関や建物が並ぶエリア。
この、「興味が湧いたときに様々な人、モノにアクセスしやすい」のも、東京にサドベリースクールがある良さ。
東京サドベリースクールでは、生徒が社会でより良く生きるために、「個人の自由」と共に「他者と生きる市民教育」も大切にしています。
そのため校則(スクールのルール)を生徒とスタッフでつくったり、変更、削除もできます。
そしてもし、そのルールに違反してしまったらしかるべき手続きで解決を行え、皆の安全や権利を守れるルールミーティングがあります。
これは国でいえば、法律をつくる立法機関(国会)。
そしてその法律的な違反や紛争などを解決する司法機関(裁判所)の役割となっています。
そのため東京サドベリースク―ルでは、それらを日々のスクール活動の中で生徒も1票を持ち行っているので、裁判の傍聴に興味を持ったり、有権者になって投票に行くことに関心が高い生徒が多いのです。
今回は裁判の傍聴ということで、どこでどのような手続きをすれば傍聴ができるのか、傍聴に行ってみたい生徒中心で調べました(スタッフは傍聴経験がありますが、生徒が今後自分で調べていけるように、なんでもスタッフが調べないようにしています)。
東京高等裁判所をはじめ、地裁や家裁、簡易裁判所も1つの建物に入っています。当日は生徒達が傍聴したいものを探し、高裁から家裁まで、民事事件も刑事事件も傍聴してきました。
事件は会社間の訴訟や個人の暴行、窃盗、薬物に関するもの。また一部の希望年長生徒のみで5分程の時間でしたが殺人事件の傍聴もありました。
日本人の事件もあれば外国人の事件もあり、また年齢が上の方も20歳前後の若い方の事件もありました。
当日初めて裁判が開かれるケースもあれば、最終判決が下されるものも。
「裁判傍聴はおもしろそう(おもしろい)」というのが、一般的で率直な気持ちだと思います。まるでテレビドラマのようだというイメージがありますよね。
しかし、目の前で行われている裁判は、まぎれもなく生身の人間の、今後の人生を大きく左右するものでした。
ですから正直「おもしろい」とは言えません。目の前の人の人生が“本当に”大きく動くのです。そして、その事件にかかわった人たちの人生も。
そしてもしかしたら、何かのめぐりあわせで自分も被告人席に座っていたかもしれません。
自分や大切な人を傷つけられた人がいる。人生が噛み合わなくなってしまった人がいる。そのような人たちの裁判を見て、「おもしろい」と言うことはできません。
全ての傍聴で、生徒たちは年齢に関係なく真剣でした。
例えばスクールのルールミーティングでは2度目、3度目と短期間で同じルール違反をしたら、本人の「気をつける」だけでは信じてもらいにくくなっていきます。
同じように薬物により逮捕された被告人は数年前の裁判で「もうしない」と言っていたそうですが、今回も「もうしない」と言っていました。しかし、その裁判を通じて2度目は信じてもらいにくくなることを、生徒はよりリアルな社会に接して知る機会となったようです。
生徒達は被告に対して毅然とした姿勢の裁判官や、被告人は今後このように更生する予定だと弁護する弁護士。しかし厳しく詰め寄る検察官(指摘することで本人に考えさせているようにも見えましたが)なども見ていました。
近年、校則やルールがない学校もありますが、法やルールは社会にあるものです。
そして法やルールができるだけ多くの人の自由や権利を大切にする限り、東京サドベリースクールは生徒がこれからも日本や他の法治国家でよりよく生きていけるように、スクールのルールづくりや司法の活動を経験できるスクール環境にしていきたいと考えています。
最後に、大人として、生徒に感想をまとめさせたり、書いたりさせることをしたくなると思いますが、スクールとしてそういうことは基本的にはしません。それぞれの生徒の中で何かが起きている。それを本人がまとめたいならまとめればいいし、話したいなら話せばいい。そのように自分の中で起きていることを自分で見つめることや、抱えられる強さも大切にしていきたいと思っています。
裁判所で真剣な数時間を過ごしたのもあり、解散時間まで日比谷公園に遊びに行き、生徒もスタッフも思いっきり走り回りました!
真剣さとリラックスも、スクールで大事にしていることです。
普通こういう日は子どもにとっては公園の方がメインになりがちですが、それは傍聴に行きたくなくて行っている子の場合。今回主体的に傍聴に来た生徒達は、傍聴も公園も同じように自分のままで過ごしていました。
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