written by staff
杉山まさる

東京サドベリースクール(TSS)の根本をお話します。

TSSは『自立する人と社会が育つ学校』を存在意義と定めています(これも生徒と一緒に作りました)。

サドベリーというと”自由”が象徴的なワードです。

でも本当に大切にしているのは‶自立”です。

自立した人だから、権利である自由を適切に扱えます。自分の自由も相手の自由も大切にできます。自由は権利であり、特権ではありません。

自立した人だから、自分たちの社会に主体的に関わります。自分だけよければいいと思いません。だからこそ生徒にも様々な1票が与えられて主権者の経験ができます。

自立した人だから、自分の感情に責任を持てます。他責をしません。だからこそ信頼関係でお互いに過ごせるのです。 

自立した人だから、自分を育て、他者も助けます。そういう社会こそ平和な社会です。

確かにTSSは自由です。

でも自立した人として最低限のラインがあり、さらに自分の人生をつくっていく人だからお互いに自由に豊かに自分を育て、他者と喜び合えるのです。

そういう人が増えたら、そういう社会になったら素敵だと思いませんか?

そのために自由に自分の興味を見つけたり、探求できる。自分たちの社会をつくり、運営する。お互いに自立し合いながら、他者にも貢献する(仕事はまさに仕える事=他者貢献)。

子どもが自分で気づいて自分で考え、自分で行動して自分で折り合いをつけていく。

何も考えず地元の公立学校に入り(私のように)、与えられることに慣れてしまい、そういう力がつくのでしょうか(自分で選んだのであればもちろんいいのですが)。

そういう大人に育てたいのか。

そしてTSSでは、スクールの中でも自分を育て、他者に貢献し、自分たちの社会をつくっていく経験がたんまりできます。

自分のペースで生きること、その自分のペースがどれくらいなのかも試せる。

そういう、大人が社会でしていることを、子ども時代からできるのがTSSなのです。

本当に私が子どもなら入りたかったです。

でも、もう子どもではないので、次の子ども達のためにTSSをつくりました。

そんな『自立する人と社会が育つ学校』 を存続させていくのは、自分たちの学校だから以上に、次の時代の教育の1つとして、とても重要だと考えています。

Columns