サドベリースクールの卒業生たちが仕事に就く時、彼らはそれをどのように見つけるのでしょうか。

アンケートに応じた半数近くの卒業生が「そう感じたから(直感)」と答えています。続いて自分の売り込みをしたと答えた卒業生が30%以上にのぼりました。

ここでは、“自分を売り込んで職を得た”という卒業生のストーリーを抜粋してご紹介します。

卒業生の話より

「サドベリー・バレー・スクールで音楽をつくること以外の楽しみは、料理の上手で大好きなスタッフと一緒にいることでした。子どもの頃、母の苦手だった料理をそのスタッフから教えてもらいました。数年後、彼女から教えてもらった料理をすることとなったのです。

そしてある日突然、レストランをオープンしようと思いました。レストランの支配人をしている友人に相談したところ、

「レストランを開くには、まずシェフとしての経験が必要だよ。シェフのなり方を知っていれば、君は好きなだけレストランのオーナーになれるよ。しかしシェフというものを知らなければ、君は雇ったシェフに動かされることとなるよ」

と言われました。私は「シェフのなり方は十分知っているよ」と答えました。すると彼は、

「台所で料理する程度ではなくて、サービスという形での料理や厨房で働く人たちをどうやって取りまとめるかを学ぶ必要があるんだ」

と言いました。さっそく友人の働いているホテルに履歴書を送り、そこで働くこととなりました。

そのホテルから仕事をスタートした彼は、ボストンからロサンゼルス、ビバリーヒルズなど、いくつかの有名なホテルにてシェフとしての技術を身につけていきました。ホテルシェフとして10年働き、とても充実していると語っていました。

また25%の卒業生は「様々な職業の見習いから仕事を始めた」と答えています。その他、興味のある分野の仕事をボランティアから始めて仕事にしたというケースも多いとのことです。

東京サドベリースクールの生徒も、小さく始めてみる事の大切さを知っています。いきなり大きく始めるよりも、まずは小さくやってみる。もっとやりたければ、もう少し大きな事にチャレンジします。
そのまま関心が続けばどんどん学び続けますし、満足すればそこで本人に取っての学びは終了。新しい事を見つけるサイクルに戻ります。