朝、スクールがオープンして少しずつ生徒達が集まってきます。チェックイン(学校に来たサイン)をした後は、各自思いのまま過ごします。

スクール内にある掲示板を確認する生徒や、おもむろにゲームを始める生徒。友達と約束していた木登りを始める生徒もいます。楽しそうに話をしている生徒もいれば、白熱した話し合いが行われていることもあります。

おや?あちらではやりたいことがことがなくて「ひまだ〜ひまだ〜」と言いながらスクール内をウロウロしている生徒も。お昼時になり料理をしている生徒がいたかと思えば、朝からお弁当を食べてお腹が「ぐ~」。どうしよう?という男子生徒もいます。

午後は女子生徒達が仲良く映画を見ていたと思ったら、そこから違う事に興味を持ち、絵を描いたり、パソコンをしたり。歌とピアノのレッスンをしている生徒もいますね。スクールの楽器や音楽に関する資金集めをかねた、不定期に行っている今度のスクールコンサートの練習のようです。

ミーティング(話し合いの場)にて、必死に自分のやりたいことを実現できるよう気持ちを伝える生徒もいれば、公園に体を動かしに行く生徒、一人静かに読書をする生徒もいます。

日々、色々なことが生徒の興味に応じて繰り広げられ、それぞれに自分のストーリーが展開されています。そのことについて、サドベリー・バレー・スクールの卒業生は、「この学校は自分自身を満足させてくれる学校だった」と語っています。

サドベリースクールはカリキュラムや時間割もなく、動機付けをされることもない場所です。自分で活動を見つけ出し、0から1を創り出す必要のあるスクールであり、またその1を10に発展させることもできる場所です。もちろん、やってみたがあまり興味が湧かず、1のまま終わらせる事もしょっちゅう。

ただ、自分の才能を発見する事もスクールの校則を新たに作る事も、まずは自分が動かなければ生み出せません。そして出た芽も、自らが育てないと大きくはならないのです。サドベリースクールは他人から一方的に指示を与えられません。そこでは、誰かから与えられる満足とは遠い感じを受けるかもしれません。

しかし、この学校では「条件なしに自分らしくいられる」ということが生徒達にとっての最大の満足であるようです。
では「自分らしくいられる」場所で「自分らしさ」を大切にしていった卒業生達は、スクールで何を学び、卒業後どのように人生を切り開いていくのでしょうか。