日本経済団体連合会(経団連)の「企業の採用選考時に重視する要素」の第1位は、2004年から毎年「コミュニケーション能力」となっています。
なぜ、コミュニケーションがそれほど大切とされているのか。それは、私達の社会において、人間は人と人との間で生かされているからだと考えられます。

東京サドベリースクールでは、生徒たちが集まり、一日中話をしている様子がよく見られます。一見、何もしていないようにも見えますが、生徒はスタッフや異年齢の他の生徒たちと関わりながら、日頃の気軽な会話と、ミーティングや活動という真剣な話し合いにより、社会生活において大切な要素である、「他者とのコミュニケーション」を毎日“体験”から学んでいます。

また、コミュニケーションは他人との関係だけではありません。「自分自身とのコミュニケーション」も非常に大切です。自分との対話も一生続くためです。

さらに、コミュニケーションというのは、言葉のキャッチボールだけにとどまりません。語らずとも、一人の在り方が周りの人々に伝播(でんぱ)し、場を作るということがあります。一人のスタッフの気持ちの持ちようで、場に与える影響もあります。もちろん生徒も。

そのため、スタッフも保護者も、自分自身の在り方を常に問われ続けます。サドベリースクールは、子どもも大人も人生に直面せざるを得ない場所なのです。卒業生のコメントをご覧ください。

サドベリー・バレー・スクールで学んだことは、人生そのものでした。
どうやって人とコミュニケーションするか、物事をどのように管理して遂行していくかなど、すべてのことをです。大人がすることを見たり、活動に参加することで学んでいきました。

しかし、一番は他の生徒達から学びました。どうやって生きるのか?どのようにして物事は起こるのか?そういったことを一緒に学んでいきました。

上記のような学校生活の中で、人間関係を築くコミュニケーション力を身につけていく生徒が多くなっています。
ではどの程度、卒業生は社会でのコミュニケーション力について、自分自身のことをわかっているのでしょうか。

このグラフから、卒業生の多くが周りの人と極めて友好的な人間関係を築けていると思っているようです。
このテーマに対する卒業生のコメントもご紹介しましょう。

「自分の伝えたいことを、毎回上手く伝えることはできていませんが、挑戦することが楽しいです。」

「コミュニケーションはとても大切なことの一つです。家族や友人、ビジネスにおいて、また知らない人との間でもです。」

「初めのうちはとても恥ずかしがり屋でもありますが、話が進むにつれてコミュニケーションが取りやすくなります。」