written by staff
杉山まさる

今週から新年度が始まりました。
私たちは、2008年からプレオープンを開始し、2009年の4月に本オープンしました。そして今年度、2018年4月に、10年目を迎えることができました。
これも皆様が、共に歩んでくださったおかげです。本当にありがとうございます!

10年目となり、巣立った生徒達も少しずつ、社会に出ていくようになりました。

料理が大好きでお店を始めた生徒。
好きなスポーツに関わる仕事をしている生徒。
興味のあることに関連して世界中を飛び回っている生徒。
また将来やりたいことのために人に会ったり、資格を取ったりなど、逆算して必要な行動をしている生徒。

彼ら、彼女らは年齢的にはハイティーンから20代前半。進んだ道は、ビジネス、スポーツ、職人、また仕事という形で働いていない者まで様々で、みんなしていることはそれぞれ違います。
でも共通しているものがあります。それは、

『自分の道を歩んでいる』

ということ。
では、サドベリーでの学びを得やすいのはどのような生徒でしょうか。
もちろん色々な角度から見れば、またそれぞれの目で見れば、様々な答えがあります。

1つの正解がないのが、サドベリーらしさだとも言えます。

ただ私が10年関わらせていただいて、これはとても大切な1つなのではないか、と感じていることがあります。
それは、

『じっくりちゃんと自分に向き合った生徒だった』

ということです。
じっくりちゃんと自分に向き合うというのは、自分を知るということをあきらめないということでもあります。

自分の心を感じること。人との関わりの中で感じる感情に気づくこと。他者に自分の考える“正しさ”を押し付けたくなったり、押し付けているかもしれないことに気づくこと。そしてどのように行動するかということ。

それらは、サドベリースクールという環境にいれば、否が応でも出てきやすくなります。そういう場になっているからです。ですので、つらくなる生徒もいました。またそのタイミングではない生徒もいました。

さらには生徒のみならず、私たちスタッフや保護者の皆さんも自然とそれらをすることとなります。

自分を見つめるべき時に自分の中を見ないと、他者への期待や攻撃になっていく。
期待通りにならないと不満になり、誰か(およそ他人か自分)を攻撃したくなる。

サドベリーというと自由が目立ちますが、自由であると自然と自分に向き合わざるを得なくなったりします。忙しくしていれば向き合わなくてもいいかもしれない自分に、じっくり向き合う。これはとても大変なことでもあります。

ただ、自分の人生を歩むのであれば、避けて通れないところでもあります。そういうことを、大人(といわれる年代)でするのか、子ども(といわれる年代)でするのか。

「子どもにとっての良い人生」に共通の正解はないかもしれませんが、その子自身にとっての最適解はきっとあるはず。それを子ども(といわれる年代)に探求しやすいことは、サドベリーの価値の1つだと思っています。
(またそれをスタッフや保護者がしやすいことも同じだけ価値があることだと思います)

そのための飛び立つための向かい風が、自分に向き合うということであったりもするのです。風に意味はありません。それをどう上手に使うかを選ぶことをしていけばよい。生徒がどう風を使うのかは本人次第。
そういうことを体験しやすいのもサドベリーなんだなと、10年目にして思っています。

これまでたくさんの方と、共につくってきたサドベリー。
そしてこれからもたくさんの方と一緒に作っていければと思っています。

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